数種類の卵生メダカを混泳させる楽しみ
熱帯魚にはいろいろな種類がいてコレクションして楽しむのはアクアリストの醍醐味ですよね。
でも卵生メダカには一般的に1品種1水槽で飼育されているイメージがあります。これはグッピーなどでも同様ですが、品種維持の観点から品種間の交雑を避け累代維持していくことに重きを置くケースが多いからです。
でも、カラフルな卵生メダカだからこそ、いろいろな種類を同じアクアリウムに泳がせてみたくなるのが飼育者の野望というものです^_^
また、卵生メダカは繁殖水槽での飼育イメージが強く、水草いっぱいのアクアリウムを広々と泳ぐ姿をなかなか見られません。
今回は、卵生メダカのネイチャーアクアリウムさながらの水草混泳水槽を作ってみた!ということで、私がチャレンジしたアクアリウムをご紹介したいと思います。
ちなみに混泳にあたっては、品種交雑がおきないよう混泳水槽からの採卵はしません。そのために別途品種ごとの繁殖用水槽を用意して、そこででしっかり次世代の卵を採るようにしています。
ノソブランキウス同士の水草混泳水槽
まず、卵生メダカの年魚ノゾブランキウス同士の混泳水槽。今回は2種類のノゾブランキウスを泳がせてみます。
まずは熱帯魚界の宝石、世界で一番美しい熱帯魚とも言われるノソブランキウス ラコビー。頭部からのオレンジのカラーリングに鰭のエメラルドブルーが映え、ボディ全体にさまざまな色合いを魅せてくれる小型美魚の雄です。
かたや、同じ卵生メダカの中でもシックで落ち着いた印象をもつノソブランキウス パトリザイ。ブルーブラックのボディに鰭の紅がアクセントとなるお洒落さんです。
共に、飼育しやすくて温和な卵生メダカです。
どちらも長年私のお気に入りのノソブランキウスです^_^
ちなみに、ノソブランキウスの生物学的分類では、口先から頭までの長さや鰭の形などでグループ分けされていますが、このラコビーとパトリザイはそれぞれ違うグループに属します。ラコビーはラコビーグループ。パトリザイはメラノスピラスというグループになります。
それではラコビーとパトリザイを水草いっぱいの混泳アクアリウムに合流させてみましょう!
手前がラコビー、奥がパトリザイ。
今回は45cm水槽にラコビーのオス1匹、メス2匹、パトリザイのオス2匹だけなので広々しています。
しかし、画質が悪いですね。ご勘弁を😅
水槽スペースが充分あるので喧嘩もしませんが、なかなか絡むシーンは見られません。
基本的に、ラコビーは水槽全面、パトリザイは水槽背面近くに自分の居場所を決めたような感じです。
こうやって近づいて同じ画角に入ってくると、卵生メダカマニアとしては見ていてとても興奮するシーンです。
あー、幸せを感じます。
他の熱帯魚では混泳は当たり前ですが、先にも書いたように卵生メダカは繁殖を前提とした単独品種の単独飼育がメインになるので、こういう絵面はなかなか見ることができません。
このノソブランキウス混泳水槽を動画でもご紹介します。画像では少々わかりにくかったので、ぜひご覧ください。
アフィオセミオンとノソブランキウスの水草混泳水槽
卵生メダカ界の2大勢力、アフィオセミオンとノソブランキウス。この2つのグループはそれぞれにさまざまな種類がいてコレクションして楽しむ愛好家が多いことでも知られています。
同じ卵生メダカではあっても、今度は種類が異なるので、まず相性がよいか考えてみました。
アフィオセミオンとノソブランキウスは、それぞれ非年魚と年魚の違いがあり繁殖方法こそ分けて考える必要がありますが、水槽内での育て方に大きな違いはないと思います。同じアフリカ出身のメダカですから。
特によく言われる違いとして水温と水質があります。これはあくまでもそれぞれが採取されたアフリカの原地の小川の環境を再現しての理想論として語られています。実際は魚の環境適応能力はたいしたものでかなり幅が幅広い水温や水質に対応してくれます。
●水温について
アフィオは20度程度のやや低温を好むとか、ノソはやや高温の26度くらいがよいとか…。私の水槽は以前の記事でもご紹介した通り、冬場最低18度〜夏場最大28度の管理でアフィオ、ノソともに問題なく育っています。
●水質について
アフィオは弱酸性とかノソはややアルカリ性を好むとか…。こちらも日本の水は極端なph値ではないのでシビアにならなくても丈夫に育ち繁殖もします。ひとつ言えば、新しく魚を導入してから自分の家の水槽の水に慣れるまでの水合わせを丁寧に行うことくらいかと思います。慣れさせれば丈夫に育ち管理も楽ちんです。(まぁ、超上級種と言われるノソブランキウス ファーザアイなどは別かもしれませんが…)
ということで仲良くしてくれるか混泳水槽を作ってみました^_^
今回は、先ほどのノソブランキウス水草混泳水槽にアフィオセミオン ガードネリーを一緒に泳がせてみることにしました。正確にはガードネリーはアフィオセミオンからフンデュロパンチャックスに分類変更になりましたが、呼び方にまだ慣れません(汗)まぁ魚自体が変わったわけではありませんのでアフィオセミオン混泳計画ということで許してくたさい😅
この水槽にガードネリーを投入していきます。
最初は水面あたりで様子をうかがうガードネリー。グリーンロタラの茂みの中で気持ちよさそうです。
ノソブランキウス ラコビーとの遭遇。
存在は認識し合いましたが喧嘩もしなければ逃げもしません。
お互い仲間だと思っているのだと思います。新入りのガードネリーが全く萎縮していません。
ノソブランキウス パトリザイとの遭遇。
こちらもまるで以前から一緒にいたかのように違和感なく合流しています。
茂みの下ではアフリカの原生林を流れる小川の様子が再現?できています^_^
ピートモスの下で仲良く語り合うラコビーとガードネリー
卵生メダカ 美麗魚たちが競演していることに、たまらなく感動!!!
混泳の結果、全く争いもなく自然に合流できました。
ノソブランキウスもアフィオセミオンも基本的に温和なメダカなので混泳には向いていると思います。
短いですが動画でもご覧ください^_^
ネイチャーアクアリウムへの進化
卵生メダカ同士の混泳については思いのほかうまくいきました。
さらにこの水草水槽を進化させて、小さな水槽の中に自然の水景を再現する、憧れのネイチャーアクアリウムへのチャレンジです。
私はベアタンク飼育を基本にしていますが、ちょっとした工夫やアイデアで他ベアタンクでも水草の森を作ったり、ネイチャー感を出すことは可能です。
ちまみにその工夫についてはこちらの記事でご紹介していますのでぜひご覧ください^_^
憧れの水草いっぱいの森アクアリウムといえばカボンバやハイグロフィラなど有茎草をいっぱいに植生させて森林を作るのはアクアリストの夢ですよね。熱帯魚と水草はやはり切っても切れない抜群の相性で、私も長年の熱帯魚飼育歴の中で水草水槽に何[…]
今回は、アフィオセミオンとノソブランキウスの故郷、アフリカの小川の中を覗いてみた感じの水景にチャレンジしてみたいと思います!
アフリカの小川の中…といっても私はアフリカに行ったこともなければ、その小川の中の様子を映像などで見たこともありません😅
まぁ、ネイチャーアクアリウムというのはそういうもので、誰も実際の自然環境や水中をリアルに見て再現している人はほとんどいません。あくまでイメージで作ります😄
水草は、アフリカの原生林の中を流れる小川をイメージして、緑の発色が強くに密林感が出せるグリーンロタラだらけ水槽にしたいと思います。
ただここで言い訳…😅
グリーンロタラは原産地がアフリカの水草ではありません!思いっきりアジアの水草なのですが、わざわざアフリカ産の水草を入手する手間とコストを考えて、また、グリーンロタラが私の持つアフリカの小川のイメージにピッタリだったので、採用しました😆
自分だけのネイチャーアクアリウム、あくまでイメージ最優先で…😅
出来上がった水槽がこちら。
グリーンロタラ一色です^_^
以前、前景にアヌビアスナナを置いていたのですが、今回は底のもっさり感わ出したくてウィローモスマットをグリーンロタラのポットに立てかけてみました。まだウィローモスが育っていないので少し殺風景ですがいずれ深い緑になってくれるのを期待しちゃいます!^_^
水深はあえてやや低めにしました。というのもアフィオセミオンはよくジャンプすると言われているので、飛び出し防止のために水槽の高さより水面を10センチほど落としています。
また、グリーンロタラはこの水深より高く育っていましたが、あえてトリミングせずに長さを生かして密生感を出しています。グリーンロタラは水面を突き出して真っ直ぐに伸びずに横に広がっていくタイプなので浮き草代わりに水面を覆うように広がり合い、アフリカの小川の中の雰囲気が出てるかなと思います(実際には見た事無いですけどね😅)
そんなこんなで出来上がったアフリカの小川水景がこちら。
グリーンロタラの密集度と水面を突き出している感じが雰囲気出てるかなと思います。
メダカたちも故郷を思い出したのか、興奮気味に活発に泳ぎまわっています!
あくまで私の想像上の故郷ですけどね…😉
画像ではわかりにくいので動画も載せておきますのでぜひご覧ください。
みなさんのアフリカンのイメージと合致するかは疑問ではありますが…(どっちかというとカリビアン??)これが私なりのネイチャーアクアリウムです😄
数日すると、成長の早いグリーンロタラは予想通りどんどん水面を覆うようになってきました。
その下でちょうどよい光量と隠れ家ができて居心地がよいようです。動画でご覧ください。
水草びっしりになってしまったので、餌を水面から落とすと水草に引っかかってしまうのですが、メダカたちもそれを分かっているようで、水草をつっついて餌を探したり、ふらふらと水草の間から落ちてくる餌を待ち構えてパクっと食べたりしています。
水中から水面を見上げるように観察すると、水面にいる魚たちがより活き活きして見えてなかなか良いアングルで気に入っています。
次の動画は、水槽の中央部分で水草をやや少なめにしたオープンスペースの様子です。
水槽の中で唯一広々している場所なので、まるで広場のようにみんな集まってきます。
自由気ままにスイスイ泳いだり、たまに遊びながら追いかけっこしたり、混泳ならではのメダカ同士の絡みや駆け引きが見られて楽しいスペースです。
見ていて飽きません^_^
この水槽では、水面を低くしてグリーンロタラを絡み合うように密生させるレイアウトにチャレンジしましたが、これが結果とても明るく広い水面を作り出しました。
照明から水面までの距離は長くなったのですが、逆に光が水中を透過する距離が短くなったため水面が非常に明るく感じます。水中での光の屈折による光量減少の影響が減少したからだと考えられます。実際に水草の成長がハンパなく早くなったので水中に注がれる光量としては間違いなく増加していると思います。これは発見!
また、メダカたちは水底にいることもありますが、夜は水面に近い水草の上で休んでいたり、より水面に積極的に出てくるようになりました。これは、水槽内の中層に水草が密集しているため、より広い水面で泳ぐ場面が増えたこと。そして、水面から水草までの距離をほとんど無くしたため、隠れ家となる水草が近くにある安心感から水面を泳ぐようになったことが理由だと考えられます。
まぁ、うんちくはこれくらいにして、実際に水面で明るい光をいっぱい浴びて楽しそうに活き活きと泳ぐ姿をたっぷりと動画でご覧ください。
みんな喜んでいるように見えませんか?
何よりそれを見ているこっちが見ていて幸せな気分になりますね。また、鑑賞時には水面から空を見上げるような角度になるため、見た目の明るさはもちろんのこと、水草の鮮度も増して見えます。^_^
最後は、その水面を我が物顔で満喫するノソブランキウス ラコビーの遊泳シーン。
水面をあちらこちらと自由気ままに遊びながら泳いでいるように見えます。時折水面でジャンプしたりして気持ちよさそうです。今まで水面でこんな風に泳ぐ姿はあまり見られなかったので、正直感動してます🥺😆
以上、今回は「卵生メダカ同士の水草混泳水槽の実例をご紹介しました。
自分のイメージしたアクアリウムを実現するのは楽しいですね。みなさんもぜひいろいろな種類の魚の混泳を楽しみましょう!
ちなみにこの水槽のネイチャー感をもっと楽しもうと、ナイトアクアリウムと称して夜のジャングル探検をして遊んでみまました😆 よろしければご覧ください。
ナイトアクアリウムの魅力ナイトアクアリウムという言葉を最近よく耳にするようになりました。通常、水族館は日中営業しているものですが、夜の時間を利用して水族館を営業し、デートスポットとしても大人気ですよね。カップルでなくとも仕事帰り[…]
また、別の記事では、卵生メダカと他の熱帯魚との混泳のポイントやオス同士の喧嘩対策について解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。
メダカ同士の混泳について私は小型熱帯魚、メダカ、特に卵生メダカが大好きなのですが、通常はペア飼育を基本にしています。これはあくまで品種維持を目的に、品種間の交雑を避けそれぞれの品種毎の卵を確保し次世代につなげるためです。[…]