メダカ同士の混泳について
私は小型熱帯魚、メダカ、特に卵生メダカが大好きなのですが、通常はペア飼育を基本にしています。
これはあくまで品種維持を目的に、品種間の交雑を避けそれぞれの品種毎の卵を確保し次世代につなげるためです。
繁殖を目的としない場合、次世代の卵が充分確保できている場合には、異なる品種同士の混泳は可能です。
さまざまな種類のメダカが一つのアクアリウムに混泳するのは賑やかで非常に楽しく、
あrにグッピーやプラティなど他の熱帯魚との混泳は水族館みたいで眺めていると至極のひと時です。
ただ、その際にはいくつか注意すべき点があります。今回はそのポイントと対策をご紹介します。
他の熱帯魚との混泳について
メダカなど小型熱帯魚と他の熱帯魚の混泳を考える時は、どのようなことに注意すればよいでしょうか?
1.フィッシュイーターとの混泳を避ける
メダカは3センチ程度の小型熱帯魚です。
あたり前ですが、アロワナなどのフィッシュイーターと呼ばれる、小魚を食べるどう猛な魚の場合、間違いなく食べられてしまいます。
2.攻撃的な魚との混泳を避ける
熱帯魚には、温和なタイプと攻撃的なタイプがいます。メダカは間違いなく温和なタイプです。
明確に分けられるわけではありませんが、シクリッドの仲間、エンゼルフィッシュ、カラシンの仲間、などには攻撃的な種類も多く、卵生メダカを突っついて鰭をボロボロにさせてしまったり、頻繁に追い回されてストレスを抱えてしまいます。
3.餌を食べられているかに注意
混泳がうまくいっているかの一番のバロメーターは、餌が食べられているかです。
例えば、大型の魚と小型のメダカでは、餌を食べるスピードや量に差があり、結果として卵生メダカが充分な餌にありつけなくなる可能性が高いです。メダカは成長が早く餌の不足は致命的です。あまり大きさが異なる魚は注意が必要です。
また、熱帯魚にはメダカなど中層を泳ぎそこにある餌を食べるのを得意とするタイプ、コリドラスなど底に沈んだ餌を食べるタイプなど品種毎の遊泳層が違います。水面の一箇所に餌を落とすだけだと、他の魚に先に食べられてしまい餌不足になる魚が出てくる可能性があります。餌は数カ所に分けてあげたり、遊泳層に合わせてあげるよう工夫してあげましょう。
メダカとの混泳に向く熱帯魚
では、メダカと相性の良い熱帯魚はどんな魚でしょう?
温和なタイプのメダカやコイ、ドジョウの仲間の小型の種類が向いています。
例えば、グッピーやチェリーバルブ、コリドラス等。
特にコリドラスやオトシンクルスなどは、一緒に飼育することで、水槽底面の餌ののこりや壁面についた苔を食べてくれるので、相性バツグンです^_^
また、魚ではありませんが、エビや貝の仲間もメダカと干渉せずに、残り餌や苔を食べてくれます。
それぞれの魚の習性をよく把握して、混泳を楽しみましょう!
けんかをやめて 〜水槽内での強弱関係とその対策〜
混泳に向いた熱帯魚同士であっても、メダカ同士であっても、数匹を同じ水槽に入れておくと、けんか、を始めることがあります。
ちょっとくらいの威嚇し合いや、追いかけっこなど、微笑ましく見守ってあげられる程度ならよいのですが、あまりに一方的なけんかになると目に余るものがあります。
どのように対処したらよいのか、3つの状況に分けて考えてみましょう。
1.サイズの差がありすぎる
成魚と稚魚ではその大きさは大きく違い、成魚と5ミリ以下の稚魚では、ヘタしたら食べられてしまいます。
そこまで極端ではなくても、メダカの完全に成熟した4センチの成魚と、2センチ程度の若魚では完全に成魚の力が強く、強弱関係が出来上がってしまいます。
このような場合は、水槽を分けて育てましょう。稚魚の時はプラケースでも充分です。
2.オスがメスを追いすぎる
繁殖のため、オスはメスを追うものですが、メスもいつでも繁殖準備ができているわけではないので、執拗なオスの誘いから逃れるのに疲れてしまいます。
特に、私の好きな卵生メダカの年魚などは、成長のスピードは早いためオスが生後2か月もしないうちからメスを追い始めますが、メスはまだおなかに抱卵できるまで成長しきれていないことがよくあります。
また、ほとんどの種類は成魚時でもメスよりもオスの方が身体が大きいこともあり、アタリも強いので、このストレスからメスを守ってあげる必要があります。
このような場合は、万全な大きさになるまでオスとメスを別のケースに分けて育てるのが一番です。
それぞれの成長も早くなりますし、メスだけ餌を与える回数を増やすなどいわゆる、VIP対応、でバランスのよいペアを育てることができます。
メスが充分な成長できて初めてお見合いする形になるので、ペアはすぐ繁殖活動を始めることが多いです。
3.オス同士のイジメ
イジメ、ダメ、ゼッタイ。
一方的にイジメのような関係になることがオス同士に多く見られます。
オスは遺伝子的に、子孫を残すたものメスの確保のために縄張り意識やライバル意識が高いのだと思います。
オス同士の威嚇や攻撃は、特にベタが有名ですよね。
メダカではそれほどではありませんが、あまり成長段階で個体差が出てしまった場合は、一方が他方を常に追いかけまわしてヒレボロボロ、ということもあり得ます。
対策としてはベタ飼育で一般的なように、別ケースに隔離してオス同士を同居させないのが一番の手段です。
簡単にできる隔離方法
私のアクアアリウムで、イジメられていたオスがいました。
この子です。卵生メダカのノソブランキウス パトリザイ。
2ペアで飼育していましたが、もう一匹のオスよりひとまわり身体が小さいだけで、
ヒレは大丈夫ですが、常に追いまわされて体色が飛んでしまいました。
そこで隔離を考えたのですが、プラケースや産卵箱に入れると狭くて水温や水質管理も難しくなるので、ますます弱ることも考えられます。
そこで、今の水槽内に仕切りを作って隔離することにしました。
水槽用の間仕切りは専用のもの売っていますが、自作でも充分です。
安上がりに手軽にできる方法をご紹介します。
◉用意するもの
1.鉢底ネット
園芸で植木鉢の底に敷いて土や肥料が流れ出ないようにするためのネットです。
2.レールファイル
書類を挟むクリアファイルのレールがついたものです。レールの長さが30cmのA4サイズが最適。レール部分のみ使います。
◉作り方
鉢底ネットを、水槽の仕切りたい部分の大きさに切る
↓
鉢底ネットの上にしたい部分に、レールファイルのレールをはめる
↓
水槽の上に引っかける
以上です。
簡単ですがこれで水槽に2つのスペースに分けられました^_^
↓
その後このオスも見る見る色が出て、仕切りを境に威嚇し合うようにまでなりました。
もう、どちらがどちらだったか区別がつきません^_^、
この仕切りは水槽枠の上にレールを置いてあるだけなので、左右に動かしてたり自由自在で気に入ってます。
みなさんもぜひお試しください。
今回はメダカの混泳について、他の熱帯魚との混泳時の注意点や簡単にできる対策についてご紹介しました。
下の記事で私の水槽での卵生メダカ同士の混泳の実例をご紹介しています。ぜひ合わせてご覧いただけたら嬉しいです。