卵生メダカ 繁殖用のピートモスの種類と使い方ガイド

ピートモスとは?〜年魚の繁殖の必需品〜

ノソブランキウスなど卵生メダカの年魚の繁殖は、水槽にピートモスを入れ、そこに卵を産みつけさせる形で行います。

もちろん、ピートモスじゃなきゃ卵を産まないわけではありません。ではなぜピートモスを使うのでしょうか?

アフリカや南米小川では、彼らは水草などの植物が堆積してできた有機酸を多く含んだ川底の堆積物に卵を産みつけます。

乾季に小川の水が干上がると、卵はこの堆積物がもたらすほどよい乾燥状態の中で新しい命を育みます。

私たちがアクアリウムで繁殖にトライする時、この自然環境を一番よく再現できる素材を探さなければなりません。それがピートモスです。

ピートモスはミズゴケやその他の植物が堆積して腐食してできた泥炭のことです。

有機酸を含んでいるため彼らの産卵場所としての再現性に優れていることに加え、卵を乾燥させた状態で休眠させる時にも、その通気性や保水性の高さから卵の成長を助けてくれます。

ピートモスが卵生メダカの年魚の繁殖の必需品と言われるようになったのです。

もし、水草や砂にそのまま産ませた場合は、同じような環境が再現しにくいことから、休眠中に卵が消えてしまったりカビてしまったりと、トラブルが多くなります。

ですから、ここは先人の教えに従って、必ずピートモスを用意しましょう(笑)

ピートモスの種類

ピートモスには、大きく分けて2つのタイプがあります。

🟠長毛繊維状タイプ

その名の通り、植物の繊維が細かく絡み合ったようなタイプです。

画像は湿った状態ですが、乾燥させるとパサパサになります。

日本国内で流通されていて入手しやすいです。卵生メダカ取り扱いの熱帯魚店で入手できます。

ホームセンターで園芸用に売られているピートモスでもよいですが、PHを酸性から中性にするために石灰を入れたものもあるので、石灰が入っていない無調整のものを購入してください。

🟠粒状タイプ

こちらはその名の通り、粉状のタイプです。

海外ではこちらがメインで使われていますが、日本国内ではあまり流通していません。

繊維状タイプより産卵率が高いという噂?もあります。

ただ、産卵時に粒が舞い上がりやすく水槽内に散らばりやすいのでメンテナンスにやや手がかかります。

 

上記2つのタイプのどちらを使っても問題ありませんが、国内で手に入りやすく実績のある長毛繊維状タイプをおすすめします。

長繊維タイプの天然ピートモス。卵生メダカの産卵に最適。

ピートモスの使い方

ピートモスを水槽に入れる前には段取りが必要になります。

ここでは、長毛繊維状タイプのピートモスの使い方について説明します。

🟠水で泥を洗い流す

購入したばかりのピートモスは泥と繊維が混じっています。必要なのは繊維状の部分だけなので水道水でよく洗い流します。

土の塊になっているような部分もあるので、よーく洗い流してください。泥の量はかなり多く最初のピートモスの量が半分くらいになってしまいます(笑)

🟠煮沸する

次に、繊維質だけになったピートモスを鍋に入れて煮沸します。

繊維質にはピートの酸性成分がたっぷり染み込んでいます。水槽で年魚の産卵床として使用する場合、このピート成分は必要ありません。煮沸してこの成分を抜きます。

いらない小さい鍋をひとつ用意してピートモスと水を入れ、火にかけます。時間は30分くらいでよいと思います。沸騰して吹きこぼれないように注意してください。

🟠再度、流水ですすぐ

こうして煮沸したピートモスを再度流水ですすぎます。

何回すすいでも茶色い汁が出てくると思いますのでよくすすいでください。

ただ完全に透明な汁にはなりませんので、あとで水槽に入れた時あまり水が茶色くならないように、できるだけでよいです。

以上で事前段取りは完了です。

そしていよいよ、ピートモスを水槽に沈めて繁殖の準備に移ります。

繁殖の準備については、下の記事でご説明していますので引き続きご覧ください。

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なお、採卵に使ったピートはまた次の繁殖に使えます。ただその際は前のメダカの卵が残っている可能性があるので、再度煮沸から段取りして使うようにしましょう。

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