熱帯魚の大敵!コショウ病対応マニュアル 〜予防策と治療法〜

小型水槽での熱帯魚の病気NO.1 コショウ病

熱帯魚飼育では魚が病気にならないよう日々の管理が大切です。

以前、卵生メダカの病気についてこちらの記事で解説しました。病気の予防については卵生メダカに限らず熱帯魚全般にあてはまる内容です。

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しかし、いくら予防に気をくばっていても病気になってしまうことはあります。特に、水量の少ない小型飼育で一番関わりの深い病気は、コショウ病です。

止水飼育の場合は特に注意が必要で、元気そうに見えて知らないうちにかかってしまい、水槽全体に広まって全滅、という事態になると最悪です。

白点病など他にも病気はありますが、小型水槽ではコショウ病の方が圧倒的に発生頻度が高いと思います。私などは、コショウ病さえ注意してケアすれば、先天性の障害か寿命以外で死ぬことはほとんど無いと思って熱帯魚飼育をしています。

今回はそんなコショウ病について予防策から治療法まで徹底的に解説したいと思います。

コショウ病とは?

コショウ病は、ウーデニウムという寄生虫が魚の体表から体内にとりつくことが原因で起こる感染症で、別名ベルベット病、サビ病とも言われます。

寄生虫による感染症のため、発症した魚だけなく水槽内の他の魚にも感染する可能性が高く、早期発見と対策が必要です。放置すると水槽が全滅することもあります。

初期症状は、魚が身体を水草や壁にこすりつけたり、くねるような動きをするようになります。これは寄生虫が体表について、その違和感からくる動きだと思います。

ただ、この段階で病気を疑うことは難しいです。たまたま見かけて察知できればよいですが、水槽の前に一日中張りついているわけにもいかないでしょうから、なかなか発見には至りません。

次の段階は、魚の身体が粉をふいたように、それこそコショウをふりかけたように見えるようになります。体表、特に頭から背中にかけてツヤがなく、やや黄色っぽく見えます。どちらかというとサビ病というほうがイメージが合っていると思います。私はきな粉をふりかけたように見えるので、きな粉病と呼んでいます😅

ほとんどの場合は、このきな粉段階でコショウ病を疑います。ただ、この段階でも魚自体は餌を食べたり普通に泳いでいるように見えるので、見落とすこともあります。常にコショウ病の可能性を頭に入れて注意深く観察する必要があります。

そのまま放置すると、寄生虫がエラを破壊し、魚は弱り、やがて死に至ります。

病気にかかった魚が死んでしまうのは悲しい事です。さらに水槽内への蔓延が非常に厄介なコショウ病。日常から気をつけておく必要があります。

コショウ病の予防対策

コショウ病は、水質の悪化、水温の急変、魚のストレスにより発生します。これは他の病気でも一緒ですね。

日常の管理として、水槽内の餌の残りや魚の糞などをこまめに取り除き水質悪化を防ぐとともに、水換え時は急な水質・水温変化が起きないよう充分注意する、という当たり前のケアが大切です。

また、特に過密飼育や止水飼育では水質悪化が起こりやすいため気をつけましょう。稚魚が大量に生まれて小さなプラケースで育てている時、止水飼育で水底の汚物の除去や水の入れ替えを怠った時などに発生しやすいです。

また、寄生虫による感染症なので、水槽内に寄生虫を持ち込まないよう気を配る必要があります。新しい魚や水草を導入した際はすぐに水槽に入れず、しばらく別水槽で様子を見た上で合流させましょう。複数の水槽がある場合は、それぞれの水槽間での水のやりくりはしない方がよいです。

コショウ病の治療対策

もし、コショウ病の魚を発見したら、即座に病魚を別水槽に隔離します。

理由は治療を行うためと、同居する他の魚への感染リスクを低くくするためです。

隔離した病魚は、まず0.5%の塩浴を行いましょう。初期段階で体表の黄色い粉ふきが出ていない頃であれば約1週間の塩浴で治ることもあります。また、病魚がいた元の水槽にも塩を入れて様子を見ましょう。さらなる病魚の発生を抑えるためです。

※塩の効能についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

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ただ、先にも述べたように、見た目できな粉状態にならないとなかなか病気を発見できません。その段階で隔離した場合は、即、薬浴を行ってください。薬は市販のコショウ病に効く薬なら何でもよいですが、私はこちらを使っています。

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薬浴の際は必ず使用量を守って行ってください。また、薬浴中は餌やりを止めて、照明はつけないようにします。コショウ病の寄生虫は葉緑素を持っており植物と同じく光合成て成長します。暗くすることでその成長を遅らせます。

薬浴はまず1週間行います。体表の粉ふきが改善されていなければさらに1週間延長して様子をみますが、それでも効果が無い場合は別の薬を試してみましょう。

改善された場合は、最後にもう1週間だけ薬浴してから元の水槽に戻します。コショウ病の寄生虫は、自分たちが増殖する際にシストという殻のような状態で存在する期間があり、このシスト状態の時は薬が効きません。見た目には治ったように見える魚でも、寄生虫がシスト状態で潜伏している可能性があるため、薬が効く幼生状態に変化するまで、もう1週間念押しの薬浴をおすすめします。再発させたくないですしね。

コショウ病のアフターケア

コショウ病気の予防と治療について解説しましたが、大事な事がもう一つあります。

コショウ病は感染力が非常に強いです。他の魚や水槽への蔓延を防ぐため、病魚が元いた水槽は器具を含めて全て丸洗い消毒してリセットしましょう。

消毒は家庭用の漂白剤などで行います。水槽、ヒーター、フィルター、水温計など全て洗ってください。水草はよく水洗いしてからしばらく別水槽で隔離して育てるとよいです。

コショウ病はあまく見ると再発を繰り返します。万全を期して全リセットして退治しましょう。

以上、今回はコショウ病について詳しく解説しました。厄介な病気ではありますが、逆にコショウ病にさえ対応できれば卵生メダカの飼育はほぼ成功と言ってもいいくらいです😊

必要以上に怖がらず、でもいざという時は徹底的に駆除するという意識で飼育を楽しみましょう!

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