面倒くさい水換え作業を不要にするという考え方
アクアリウムの維持には、楽しいことがたくさんある反面、面倒くさい作業もあります。水換えはそのひとつですよね。
よく言われるのが、週1回または2週間に1回、水槽の水の1/2を換水などというもの。作業としては水槽の底水をポンプで吸い出し、新しい水を注ぎ足しますが、熱帯魚観察の一部として行える餌やりなどの作業と違って、あまり楽しい仕事とは言えません。
60センチ〜90センチの中大型水槽の場合は、入れ替える水もかなりの量になり、これを毎週行うことはかなりな労力ですし精神的にもストレスになります。でもやらないと水質環境が保てず綺麗なアクアリウムが維持できません。
また、水換時には底砂の汚れを吸い出す際にどうしても、汚物を水槽内にまき散らしてしまいます。後でフィルターで濾過してまた落ちつきますが一時的に水が濁りますよね。これは中にいる魚たちにとっては悪い影響しか与えません。弱っている魚は水換えが原因でさらに体調を悪化させることもあります。
今回は小型ベアタンク水槽を前提とした、水換え不用の水槽管理方法をご紹介します。卵生メダカも熱帯魚ですから、ただ放ったらかしにしておくと水質が悪化し調子を崩します。でもやり方次第で、先ほどねような肉体ストレス・心理的ストレスを軽減することが可能です。卵生メダカに限らず他の熱帯魚でも応用できる考え方だと思うので、皆さんも一度考えてみてはいかがでしょうか?
小型ベアタンク水槽で水換え不要の環境を実現しよう
まず水槽環境の大前提としておすすめしたいのが、小型水槽でのベアタンク飼育です。
⬜️小型水槽のメリット
水質の変化を少なくするのであれば水槽の水量は多いに越したことはありません。しかしながら、大型水槽は水量と比例して生体も多いと考えると、水質悪化の度合いは小型水槽と変わりません。とすると、大型水槽と小型水槽を比較した時、全体水量の少ない小型水槽の方が古い汚水の発生量も少ないという事になります。25センチ〜せいぜい45センチ水槽がおすすめです。
※もちろん90センチ水槽にメダカ1匹などといった極端に密度の低い飼い方であれば、大型水槽でもなんら問題はありません。
⬜️ベアタンクのメリット
水換えが必要な理由のひとつは水槽内の汚物(魚の糞や餌の残りなど)を取り除くことですが、この汚物滞留の温床となるのが底砂です。底砂の中に入り込み目視で発見することができないため、一見綺麗に見える水槽でも底砂内には汚物が大量に堆積し、そこから出るアンモニアや有機物が水質を悪化させます。
そのため、底砂を敷かないベアタンクでの水槽環境をおすすめします。水槽底面に何もなく汚物が目に見えるので簡単に除去して汚物ゼロにできます。
ベアタンクは水換え以外の点でもさまざまなメリットがあります。こちらの記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
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水換え不要 小型ベアタンク水槽の日常管理
ベアタンク小型水槽にすれば、一般的に言われる週1回の1/2換水のような大がかりないわゆる「水換え」は必要ありません。
ただもちろん、日々の魚の糞や餌の残りは水槽内に発生します。あくまで日常管理としてこれからご説明する2つのポイントだけ習慣化しましょう。
①餌やりの時に残った餌と糞をスポイトで吸い出す
当たり前ですが、毎日の餌やりで餌が残らないようにすれば水槽内に残餌は発生しません。餌を余るほどドカっとあげてあとは知らんぷり、はNGです。
餌はあげたその場で食べきれる量だけあげて、水槽の底に残った食べない餌、魚が気がついていない餌は全てスポイトで吸い出してください。
また、その際に底にある魚の糞も一緒に吸い出しましょう。
小さなスポイトで何回も吸い出すのはストレスになります。先口が太く一気に大量に吸い出せるスポイトを使うことをおすすめします。私はこのスポイトを使っています。
②減った水の分だけ新しい水を注ぎ足す
前述のように底の汚物を吸い出した時に水も一緒に吸い出すので、水槽の水かさは減ります。
減った分だけカルキ抜きした新しい水を足してあげましょう。1回にコップ1杯程度です。
1日にこの程度の量なので、これは毎日やらなくてもよいです。気がついた時、時間的にに余裕のある時に減った水の量を足して元に戻してあげればよいので簡単です。
以上、これだけ気をつければ一般的に「水換え」と言われる大作業は一切必要なくなります。私はこのスタイルにしてから完全にストレスフリーで、水槽を眺める時間が増えて充実したアクアライフを送れています。
ぜひ参考にしていただければと思います。