南米年魚の世界 〜旧シノレビアスの仲間たち〜

南米の卵生メダカたち

卵生メダカの出身地は主にアフリカと南米です。ノソブランキウスやアフィオセミオンはアフリカ出身ですが、今回は南米出身の年魚の仲間たちをご紹介します。

具体的にはブラジルやアルゼンチンやウルグアイなど南米の小川に生息する卵生メダカで、約1年の寿命で次の世代へ命をつなぐ「年魚」の仲間たちです。

卵生メダカの年魚の生態について詳しくはこちらで解説しています。

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分類学上では、同じ年魚でもアフリカと南米では異なり、アフリカのノソブランキウスがカダヤシ科に属するのに対し、南米年魚はリヴルス科に属します。卵生メダカ全体の分類についてはこちらの記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。

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かつては、ほとんどの南米年魚は一括りに「シノレビアス」という学名で呼ばれてました。しかしながら近年の新種発見や分類学上の研究が進んだ結果、学名を含めた大きな分類変更があり、いくつかの新たなグループに再編されました。

この記事では、旧シノレビアス類の再編後の代表格なグループである「シンプソニクティス」と「オーストロレビアス」の仲間たちについてご紹介します。

いったいどんなメダカたちがいるのでしょうか?

シンプソニクティス類の仲間たち

初めに、多くの仲間たちを抱えるシンプソニクティス類です。

実は、一度このシンプソニクティス(Simpsonichthys )として再編された仲間ですが、その後さらに5つの亜属(Simpsonichthys、Spectrolebias、HypsolebiasOphthalmolebias、Xenurolebias)に細分化されることになりました。

ですので、旧シノレビアスどころではなく旧シンプソニクティス類(⁇)になってしまいましたが、それぞれの仲間たちを見ていきましょう。

シンプソニクティス

まずは当初予定通り「シンプソニクティス」の名がついた仲間たち。

たくさん種類がいますが、今回は Simpsonichthys zonatus という種類をご紹介します。

生息地はコスタリカやブラジルの小川です。

ブルー系のボディに入る赤いストライプが特徴的なカッコいい魚です。

一番の魅力はやはりヒレでしょうか。背ビレと腹ビレが上下に対象的に広がり、それぞれが幅広くなだらかな鋭角に伸張し、まるで弓矢のように見えます。

尾ビレだけが丸っこいのもアクセントで可愛らしいですね。

phote by Frans Vermeulen , itrainsfishes

ヒレには赤いスポット模様が入り、背ビレには赤い縁取りが入りシャープで締まった感じがします。

一方、メスはノソブランキウス同様に地味な体色ですが、ボディのラインが薄っすら入っていて品種の特徴を出しています。

phote by Frans Vermeulen , itrainsfishes

●スペクトロレビアス

次はスペクトロレビアスです。

スペクトロレビアスの仲間は尾ビレの形が楕円形というか長細い扇形のように広がり、優雅さがある魚たちです。

画像は、Spectrolebias reticulatus という種類です。ブラジルに生息しています。

元々は、前述のシンプソニクティス系の亜種として分類されていたようで、似た雰囲気をもっていると思います。

丸みのある大きなヒレが印象的で、全体のフォルムが可愛らしいですね、

落ち着いた赤系の各ヒレの上に表れるターコイズカラーのスポットのコントラストがたまらなく魅力的です。

phote by Frans Vermeulen , itrainsfishes

かたやメスはこのような感じです。

褐色のチョコレートカラーで可愛らしいですよね。

ヒレの形はオスに似ていますが、透明ベースに赤のスポットが入っています。オス同様にちゃんとスポットが入るのが興味深いです。

phote by Frans Vermeulen , itrainsfishes

オスとメスのカラーリングがとてもお似合いで、ペアで繁殖しているシーンを想像してしまいます。ぜひ飼ってみたい美しい魚です。

●ヒプソレビアス

次はヒプソレビアスです。

有名なマグニフィカスなどがこの仲間です。

シンプソニクティスに似ていますが、背ビレと尻ビレの形や柄が異なり、やや体高があるのが特徴です。

詳しくはマグニフィカスについてご紹介しているこちらの記事をご覧ください。

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オプタルモレビアス

次はオプタルモレビアスです。今更ながら変わった名前が多いですね^_^

地味な体色に入るドットが何度もいえない渋い雰囲気が特徴です。

画像は Ophthalmolebias perpendicularis という種類です。

phote by Frans Vermeulen ,killi club de france

ゼヌロレビアス

最後はゼヌロレビアスです。

細い体型でボーダー柄を基調とした落ち着いた色彩が特徴です。

画像は Xenurolebias pataxo という種類です。

phote by Frans Vermeulen ,killi club de france

オーストロレビアスの仲間たち

次は、オーストロレビアスです。

この仲間たちの中には、有名なニグリピニス(アルゼンチンパールフィッシュ)がいます。ニグリピニスについてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。

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この記事ではその他のオーストロレビアスの仲間をご紹介したいと思います。

Austrolebias mabelis という種類です。

phote by Frans Vermeulen , itrainsfishes

ニグリピニス同様、黒をベースにしたダーク系のボディの中に、ブルーグリーンのスポットが入り、そのコントラストがまるでパールを散りばめたようで渋くて綺麗な魚です。

まるで星がいっぱいの夜空を見上げているような、独特の魅力がありますよね。

もう一種。こちらは Austrolebias affinis という種類です。

体型がやや頭でっかちなところや、ヒレのスポットが共通していますね。

でも、こちらは体色がブラウンでヒレの色とのカラーリングの違いが面白いタイプです。ヒレの型も少し鋭角で、ユニークな魚ですね。

同じ種類の中でも本当にいろいろなタイプがいます。

南米年魚の飼育と繁殖方法

以上、南米年魚の仲間たちをご紹介しました。今回ご紹介したのはほんの一部だけですが、他にもたくさんの魅力的な種類がいます。南米年魚はやはりボディやヒレに入るスポットが綺麗で楽しめる魚たちが多いですね。

日本の熱帯魚店ではあまり見かけないのが残念ですが、ぜひ入手して飼育してみたい魚たちです。飼い方や繁殖方法は、基本的には同じ年魚であるノソブランキウスと同様に考えてよいと思います。

詳しくはこちらの記事でご紹介からご覧ください。

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実は私も南米年魚で、飼いたいなぁ、と狙っているメダカがいます^_^ それぞれ魅力的で、卵生メダカはほんとに奥が深く趣味性の高い熱帯魚だとつくづく思います。

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