小型水槽での熱帯魚飼育に照明やライトは必要か?
小型水槽を複数並べて熱帯魚を飼育されている方も多いかと思います。水槽の数が増えてくると全ての水槽に照明を用意するのはコストもかかるし、なかなかちょうどよいサイズのライトが無かったりと、悩むことがありますよね。
卵生メダカの飼育方法の記事でも書きましたが、熱帯魚飼育自体には必ずしも照明は必要ありません。多くの熱帯魚たちは、元々直射日光を避けた小川や池の木が生い茂った日陰や岩陰を好んで生息しています。逆にあまり光を当てすぎると本来の生息環境とかけ離れてしまい、その体色も色が飛んでしまいがちです。
とはいえ、私たちはアクアリウムでお気に入りに熱帯魚たちの姿を鑑賞する目的で飼育しているわけで、やはり照明は切っても切り離せませんよね。
今回は、小型飼育での照明の必要性と、飼育環境に合わせた照明の選び方と使い方を解説します。
照明やライトの光が必要な理由
では、まず実際にどんな場面でどんな理由で、水槽の照明やライトの光が必要になるか考えてみましょう。
1.水草の育成
アクアリウムに水草を使うのは定番ですよね。
水草は光合成をして育つので、光合成に必要な光を用意する必要があります。
もちろん、太陽光などで適度な自然光を採り入れることができれば、または部屋自体の照明の光があたる環境であれば、水槽専用の照明は用意する必要はありません。
ただ、適度な光というのが重要で、これは育てる水草によりますが、光が弱すぎると充分な光合成ができませんし、逆に強すぎても先に説明した通り魚の居心地が悪くなったり藻が大発生してしまうので、使う水草に見合った照明をセレクトするのが大切です。
2.魚自体の鑑賞
当たり前ですが自分の好きなメダカたちの体色や泳ぎを鑑賞するためにはある程度の光が無いと楽しめません。
また、魚が病気になっていないか、餌をしっかり食べているかなどは暗がりではわかりませんので、日々の魚の体調管理面でも光が必要です。
3.アクアリウムの演出
照明はただ単に光としての活用だけではなく、自分の水槽全体の演出効果としても役割を果たします。
明るい世界観を出したい時は強めの照明、ギャラリーに落ち着いた世界観を出したいときは弱めの照明。
また、最近はブルーやレッドなどネオンサインのような色のついた照明を使うことで幻想的な雰囲気を演出することができます。
では、ここからは具体的に卵生メダカ飼育でどのような照明が向いているか見ていきましょう。おすすめの照明器具も合わせてご紹介します。
小型水槽の繁殖用 照明・ライトの選び方
私の好きな卵生メダカ飼育の基本パターンともいえるのが、種類別ペアの小型水槽飼育です。グッピーやアピストなどの小型熱帯魚で積極的に世代を残していこうとする場合、やはりペア飼育をして繁殖させますよね。
繁殖自体には、はっきり言って光量は必要ありません。
しかしながら成魚のカラフルな美しさを鑑賞したり、神秘的な繁殖行動を観察することこそ卵生メダカ飼育の醍醐味です。そのために照明が必要となります。
ただ、照明に必要なスペックは限定的です。
光量は少なくてよく、逆に強すぎるとメダカ本来の体色が味わえません。また、自分が鑑賞する時間だけ光が必要となるので、据え置き型である必要もありません。さらに、30センチ以下の小型水槽前提なので照明器具自体も小型のほうが使いやすいです。
そこでおすすめなのが、水槽にクリップで留めるタイプのスポット照明です。
電球タイプで光量も強すぎず扱いやすいです。また、必要な時に必要なだけ光をあてることができ、小型でクリップで簡単に場所を移動できるためとても重宝します。
クリップ式照明で私のおすすめはこちらです。
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小型水槽の水草育成用 照明・ライトの選び方
卵生メダカなど小型熱帯魚にはカラフルな種類が多いので、水草のグリーンがとても映えます。
ぜひ、自分の好きな水草を茂らせた少し大きめの水槽で、好きな熱帯魚たちを活き活き泳がせてみていただきたいです。
先にご案内した通り、私の好きな卵生メダカ自体は光をあまり必要としないのですが、水草育成では光合成を促進するために充分な光量が必要になります。
そのため水草水槽では、照明は水草に照準を合わせて選ぶことになります。
水草育成用の照明は数ある種類が流通していますが、1日の光合成に必要な時間は6〜10時間程度が適当で、水槽内の水草全体を照射する必要があるため、水槽上部に置くLEDタイプが適しています。長い期間の使用を考えた場合、LEDの方が蛍光灯より格段に経済的です。
水草水槽で照明器具のスペックを選ぶ際のポイントはズバリ、ルーメン(lm)の確認です。
ルーメンは明るさの単位で、光合成に必要なポテンシャルに直結します。
育成する水草の種類によりますが、最低レベルのスペックの目安としては
60センチ水槽で1000lm
をおすすめします。これ以上であれば多ければ多いほどよいです。
これを基準に、30センチ水槽なら半分の500lm、45センチ水槽なら4分の3の750lmと考えればよいです。
これを満たしていれば、リシアなど多めの光量を欲しがる水草でも育ち光合成もバンバンします。もし枯れてしまったりうまく育たない場合は光量不足ではなく、CO2不足など他の事が原因です。
ちなみに照明器具に表記されている単位には他にも、光の範囲を示すルクス(lx)や色合いを示すケルビン(k)がありますがこれらは好みの問題なのでこの記事では割愛します。お好きなのをどうぞ^_^
コスパ的に私がおすすめの水草育成用照明器具をご紹介しておきます。
1000ルーメンを確保し、3色のLEDはそれぞれ独立してオンオフ可能。水草育成に充分な光量とその他指数のバランスが取れていてコスパがよいのでおすすめです。ライトリフトが付いているのも◎^_^
この照明をつけた水槽で水草がいきいき光合成している姿をこちらの記事でご紹介しているのでぜひご覧ください。
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また、合わせて絶対におすすめしたいのがタイマーの活用です。
人間の手で照明のスイッチをオンオフさせるのは手間がかかるのと、一定時間に規則正しく光を照射することが水草育成に非常に有効なので、あると非常に重宝します。
こちらもいろいろタイプがありますが、コスパと扱いやすさからこちらのタイマーをおすすめします。
設定時間を複数登録できるので、日中不在にしている方は一日の中で朝の4時間と晩の4時間を設定し、不在時間と夜中だけ消灯し自分が家にいて水槽を見る時間だけ自動的にライトがつくなどという使い方もできます。
以上、水草水槽の照明についての解説でした。また、ベアタンク小型水槽で水草が生茂るアクアリウムを作るには照明以外にも若干の工夫が必要です。こちらの記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
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今回は小型水槽飼育における照明について解説しましたが、あくまで私の飼育環境に合わせての考方ではありますがぜひ参考にしていただき、それぞれの飼育状況に合った照明を選んでアクアリウムを存分に満喫しましょう!