電気代を節約!小型水槽におすすめのヒーターの選び方・使い方 〜冬場の保温対策〜

卵生メダカ小型水槽での保温の考え方

以前、夏場の高温対策について記事を書きましたが、今回は冬場の低温対策=保温対策について解説したいと思います。

※ちなみに夏場の高温対策の記事はこちらです。

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地球温暖化と言われますが、やはり日本の気候では気温が低下する時季には人間も含めて暖房対策が必要です。

熱帯魚飼育においては、水温を一定に保つために水槽にヒーターを入れての保温対策が定番となっており、保温用のヒーターも各種出回っています。

ただ、卵生メダカやベタ、グッピー、アピストなどの小型美魚ように、小型水槽を複数並べての飼育がメインとなる場合は少し管理方法に工夫が必要です。

まず、小型水槽を保温する上でどのような問題が発生するか考えてみましょう。

⬜️小型水槽を複数管理する場合の保温対策上の問題点

①ヒーターの数が多く必要になりコストがかかる

(1)ヒーター購入費用

(2)電気代

②ヒーター設置時の安全性

(1)配線の煩雑化

(2)耐熱性 ※ガラス水槽ではなくプラケースを使用する場合

これらの問題点は、①のコスト面は「ヒーターの選び方」、②の安全性面は「ヒーターの使い方」を工夫することで解決できます。

では、それぞれ具体的にご説明していきます。

①小型水槽でのヒーターの選び方 〜コスト対策〜

一般的に小型水槽というと30センチ水槽またはそれ以下のサイズの容器を使われることが多いと思いますので、その前提で考えていきます。ちなみに私の飼育環境でも25センチ小型水槽をメインに使っています。

水槽の数が2〜3本の内はまだよいですが、小型美魚マニアあるあるですが、どうしても飼育する品種数が増えがちでそれに合わせて水槽の数も増えていくものです。

品種間の交雑を避けそれぞれ水槽を分けて品種管理するので、あっと言う間に10本くらいになります。また、それぞれの稚魚が産まれたら稚魚用の水槽、繁殖用には繁殖用…と増える一方です^_^

それぞれの水槽にヒーターを入れるとヒーターが5本、10本…と必要になります。小型水槽だから安いヒーターでよいといっても、ヒーターの価格は単純にサイズに比例して安くなるわけでもないため結構な初期費用がかかります。

また、さらにこれらのヒーター稼働時にかかる電気代が馬鹿になりません。小型水槽は大型水槽に比べて、冷たい外気に接する水槽壁面の数が多く水量自体も少ないため水温が下がりやすいです。そのため水温維持をするためには頻繁な通電が必要となり、通電する時間が長くなる=電気代がかさみます。

ヒーターを秋〜冬〜春先までフル稼働させた場合のランニングコストが割高になり、さらにそれがヒーターの本数分発生するためかなりのコスト高になります。

そこで、低価格かつ必要最低限のスペックを備えたヒーターを選ぶことが重要になります。選び方のポイントは以下の通りです。

🟠サイズ

小型水槽に入るミニサイズのヒーターというのは当たり前ですが、レイアウト変更などでヒーターの設置場所を変える可能性があるので水槽内の一番狭い場所に合わせたサイズを選びをしましょう。

具体的には、自分の使う小型水槽の短側面の幅より小さいヒーターを選ぶことです。私の場合は25センチ×17センチ水槽なので、17センチより短い(小さい)ヒーターになります。

🟠構造

低価格のヒーターになると温度管理するサーモスタットと電熱部にあたるヒーターが別になっているものが多いですが、別々に用意すると逆にコスト高になり配線の管理もより煩雑化し、正直使い勝手が悪いです。ここはあくまでサーモスタット一体型のオーヒーターにこだわりましょう。

また、温度調整できるオートヒーターもありますが、価格が高いとこから温度固定型で充分です。逆にですが安くて耐久性充分です。

🟠設定温度とワット数

設定温度というのは、ヒーターが通電を開始する温度です。この水温まで下がったらそれ以下にならないようにヒーターを稼働させ、水温を維持します。

熱帯魚の飼育に必要な水温は一般的には25度前後で書物やネットでも紹介されており慣習となっていますが、実際には魚にはもう少し幅広い温度に耐えられる環境適応能力があります。急激な温度変化は大敵ですが徐々に水温が下がる分には驚くほど対応してくれます。

ちなみに卵生メダカのノソブランキウスも、過去の飼育経験では16度くらいになっても平気でスイスイ元気に泳いでいました。

そのためヒーターを選ぶ場合、設定温度についてはあまりシビアにならなくとも大丈夫ですし、市販のオートヒーターはほとんどが25度前後になっていると思います。(ベタ用や金魚用など飼育魚を特定したヒーターは除く)

むしろワット数を気にした方がよいです。ワット数とはその電化製品が稼働時に使う電力量の事です。

先にも述べましたが、小型水槽では頻繁に設定温度まで水温を上げる必要があるためトータルの通電時間が長くなり電気代がかさみます。

このため、使用電力量をできるだけ小さく抑えることがランニングコストを下げる一番の方法です。

とは言うものの、ただ単純にワット数の一番小さいヒーターを選べばよいというわけではありません。小さすぎて水温を上げること自体ができなくなると熱帯魚の体調に影響するので本末転倒です。使用する水槽のサイズ・水量に見合ったヒーターの中でなるべく小さいにワット数を選ぶことが大切です。

電気代節約のために、あまりオーバースペックのヒーターにしないように心がけましょう。

🟠価格

これは言わずもがなです^_^ 最安値が良いですね。

以上の考え方から、私がメインで使っている25センチ水槽を前提とした場合のおすすめのヒーターをご紹介します。

小型ボディーに水温コントローラーを内蔵した観賞魚用ヒーター。サイズ9.5 x 2.2 x 4 cm 、制御温度/制度:25.5~27℃±1.5℃

こちら、私が試行錯誤して探して選んだ小型水槽用ヒーターおすすめNO.1です^_^

耐久性も高く、なにより形状とサイズが超小型なので狭い水槽内でも場所を取らないのがお気に入りです。これは15Wですが、10W、20Wなど他のワット数も細かく品揃えがあるのも利点です。

豆知識!水槽ヒーターの電気代はいくらかかる?

ここでちょっと気になる電気代について考えてみましょう。ヒーターの電気代はいったいどれくらいかかるのでしょうか?

電気代はヒーターのワット数と稼働時間で決まります。

水槽サイズに対し目安とされるワット数は、30センチ水槽であれば20〜30ワット、25センチ水槽であれば10〜20ワット、15センチ水槽であれば5〜10ワット程度です。

先にご説明した通り、電気代節約の観点から私は下の計算式でヒーターのワット数を決めています。※あくまで私のおすすめですのでご参考まで。

ヒーターのワット数  = 水槽の幅サイズ(センチ)−  10

25センチ水槽であれば、25ー10=15ワット、といった具合です。ただピッタリのワット数のヒーターがない場合は、1つ上のランクのワット数を選んでください。

実際かかる電気代の額は電力会社の単価によって多少異なりますが、毎日ヒーターが半日程度稼働した場合の月々の電気代は、30ワットで300円、20ワットで200円、10ワットで100円が目安です。だいたいワット数の10倍と考えておくとよいです。

ひとつ問題は、小型水槽飼育では水槽の数が増えがちな事です。繁殖用や稚魚用に水槽を分ける必要があったり、どうしても新しい種類を飼いたくなって水槽の数が5本、10本と増えてくると、当然ヒーターの数と電気代も比例して増えてきます。

水槽を増やす時はよーく計算してみてくださいね。

小型水槽でのヒーターの使い方 〜安全性対策〜

水槽毎にヒーターを設置すると配線が増えます。照明、フィルター、エアポンプなど他の配線とも合わせて、コンセントが足りない!コードが絡まった!などトラブルも増えますよね。

コードの絡まりは、コードを結束バンドでまとめたり、なるべく壁や水槽ラックに這わせるように束ねて整頓いただくとして、コンセント問題について考えてみましょう。

🟠タコ足配線の注意

コンセントが足りない場合は、単純に延長コードや複数コンセントに対応したタップを用意してタコ足配線にすればよいです。よく、タコ足配線は危ない、といいますが、タコ足配線自体が悪いわけではありません。二股三股と数はいくらでも大丈夫です。

ただ、その際、むやみやたらに二股三股を増やすと、供給電力のバランスから供電できなかったり、最悪の場合は発火したりする可能性があります。

安全性の観点から、次のことだけは確認が必要です。

コンセントの定格容量を確認して、それをオーバーしないようなタコ足配線にする

定格容量とは、そのコンセントから供給できる上限の電力量をA(アンペア)で表したもので、これを超える電力量が発生した場合、ブレーカーが落ちて供給をストップする仕組みになっています。

もし15A(アンペア)のコンセントに10Aのフィルターと5Aの照明と5Aのヒーターを差し込んでいて、それぞれが一度に最大量の電力を必要とした場合、計20Aの電力量がコンセントを通ろうとするため、ブレーカーが落ちます。留守中にこうなると帰ってきた時にヒーターが通電しておらず魚が全滅なんて可能性があります。

家の壁にあるコンセントの定格容量と、そこに差し込むヒーターなどの最大電力量を確認し、差し込む合計の最大電力量が定格容量を上回らないことを確認しましょう。

また、これは延長タップを使う時も同様で、タップに差し込むコンセントの最大電力量が延長タップの定格容量を上回らないよう必ず確認しましょう。特にこちらはブレーカーのように自動で供給をストップする機能が無いため、タップに規定量以上の電力が流れることで断線したり発火したりする可能性があります。(最近では自動で供給をストップするタップも発売されています)

🟠プラケースでの保温の注意

小型水槽飼育ではプラケースなどもよく使います。稚魚の育成や病魚の隔離などいろいろ活用できて便利ですよね。

ただ、ガラス製の水槽と違い、プラケースはプラスチック製ですので熱に弱いです。

プラケースにヒーターを入れると、ヒーターが高温になった時にプラケースの温度が上がり溶けてしまう恐れがあります。

プラケースでのヒーターの使用はやめましょう。※取説にもそう書いてあります。

では、どうやって水温管理するか?

プラケースをやめてガラス水槽での飼育に変更するのが一番ですが、複数種の稚魚育成や病魚管理でガラス水槽をたくさん用意できないからプラケースで飼育していることを想定して私のアイデアをご紹介します。

⬜️稚魚など、他の水槽の水と一緒にしてよい場合

プラケースをやめてサテライトでの飼育に変更することをおすすめします。水温の安定した他の水槽の水を循環させて水温を維持する方法です。

サテライトには、場所をとらないスリムタイプ、仕切りがあるタイプがあるので複数種の稚魚を別々に管理している場合でも工夫して使えるのでおすすめです。

稚魚・小型魚・隔離魚など多目的に使える外掛け式コンパクトボックス。W13×D6×H13cm

⬜️病魚の薬浴など、他の水槽の水と一緒にできない場合

ひとつのプラケースの場合はガラス水槽に移し替えるのがベターですが、2-3個のプラケースがありそれぞれガラス水槽を用意することができない場合もあります。

この場合は、熱燗方式がよいです。

一回り大きなガラス水槽に水を張りそこにヒーターを入れて水温を保ちます。

そのガラス水槽の中にそれぞれのプラケースをそのまま入れて沈めます。安定しない場合はプラケースに石などのおもり入れてください。この時、ガラス水槽の水面がプラケースの水面より低くなるように注意してください。

水温を保ったガラス水槽の水の内側にプラケースを入れて温めてることでプラケースの中の水温が上がります。日本酒で鍋に熱燗とっくりを入れてお燗をする(温める)のと同じ理論です。

ガラス水槽とプラケースのサイズによりますが、ひとつのガラス水槽にプラケースを2-3個入れてそれぞれの水を混ざらせることなくプラケースの中の水の保温をすることが可能です。

ヒーターを使わないという方法

最後に。

今回は小型水槽の冬場の保温対策としてヒーターの選び方と使い方について解説しましたが、もう一つの考え方として水槽毎にヒーターを使わず、部屋または複数の水槽をまるごと保温するという方法もあります。

こちらは、水槽のある部屋自体にエアコンを入れる、とか、水槽ラックにカバーをかけて温室のようにして中を暖める方法です。

これらの方法は実現できれば最高なのですが、導入コストやスペースなど家族の理解を必要する部分が多く、今のところ私のアクアリウムでは採用していません。

実現できる方はぜひぜひ環境を整えて、またできない方は今回ご紹介したヒーターの選び方・使い方を参考にしていただき、冬場でも安心できる保温対策を実現していきましょう!

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