電気代を節約!小型水槽におすすめのフィルターの種類とメンテナンス(掃除・交換)のコツ

小型水槽のフィルターの役割と必要性

熱帯魚飼育に必要な器具にはいろいろなものがありますが、フィルターもその一つですね。

フィルターには、水槽内の水を循環させ、水中の汚れや不要な有機物を取り除いて水を綺麗にする役割があります。

また、濾過層にバクテリアが棲みつくことで、水中の亜硝酸やアンモニアなどを分解して水質を安定させるバランサーとしての役割もあります。

私が飼育している卵生メダカたちはフィルター無しの止水飼育でも育成や繁殖は可能ですが、より安定した環境づくりや日々のメンテナンスを楽にするためにフィルターを活用することはおすすめです。

卵生メダカは品種別の管理や繁殖などで小型水槽をメインに使用することが多くなりますが、小型水槽は水量が少ないためフィルターの選び方にコツがあります。

今回は30センチ以下の小型水槽におすすめのフィルターの種類と、メンテナンス方法について解説していきます。

小型水槽でフィルターを使う際の心構え

具体的なフィルターの話に入る前に、小型水槽ならではの心構えについて触れておきたいと思います。

小型水槽(30センチ以下)でフィルターを使う場合は、中・大型水槽(45センチ以上)との環境の違いを理解することが重要です。

水の絶対量が多い大型水槽と異なり、小型水槽は水量の少なさから水質の悪化が起きやすいです。だからフィルターを使えば…と考えがちですが、そもそもフィルターは魔法の機械ではないので、設置すれば絶対安心と考えて放置しておくとあらぬ水質悪化で水槽の魚が全滅なんていう事態もありえます。※私も何度か経験があります(泣)

使い方のポイントはただ1点、「小型水槽ではフィルターに頼りすぎない」ことです。

毎日自分の目で水槽を確認し、目に見える餌の残りや糞などの汚物があればこまめに除去し新しい水を足すという基本的な水質維持は行なった前提で、フィルターには目に見えない有機物をフィルターに吸着させバクテリアの棲家をつくるというサブ的な効果を期待するべきです。

ここを勘違いすると痛い目に合いますのでお気をつけください^_^

小型水槽のフィルター選びのポイント

フィルターの種類にはさまざまなタイプがあります。上部フィルター、底面フィルター、外部フィルター、スポンジフィルターなどなど。

自分が飼育している魚や水草などに合ったタイプを選ぶ使い分けることで、最適なアクアリウム環境を整えるのが好ましいです。

小型フィルターの選び方のポイントは下記4点です。

①小型であること

まずは当たり前な話。小型水槽なので小型のフィルターでなければなりません^_^

ここで言う小型水槽は最大でも30センチ規格水槽以下のサイズを前提にしています。ちなみに私がメインで使用している水槽は25センチ水槽、小さいものでは15センチキューブ水槽もあります。

それぞれの水槽に入らない大きさのフィルターは設置できないので論外ですが、水槽に入っても大きすぎると主役の魚や水草がフィルターに隠れてしまい、まるでフィルターを鑑賞しているようになってしまいます

各タイプのフィルターの中で、一番小さいサイズを選ぶことが何より重要です。

あまり小さいとフィルターの効果が無いのでは?と思われるかと思いますが、市販されている小型フィルターはどれも、水量の少ない小型水槽をカバーするに充分すぎるスペックがあるので大丈夫です。また、先に述べたようにフィルターはあくまでサブ的な使い方であることを忘れずに。

②弱い水流が作れること

小型水槽はスペースが狭いので、水の動きが水槽全体に行き渡りやすい特徴があります。

言い換えると、水流の影響を受けやすいということで、魚にとってはちょっとした流れでもかなりの激流に感じる環境です。その中で常にバランスをとりながら泳ぐことは体力の消耗や成長の妨げにつながります。

フィルターの種類によっては、循環させた水の吐き出し量が多く、どうしても大きな水流を発生させてしまうことがあります。

そのため、水量調整が可能で、ごく弱い水流を作れるフィルターが好ましいです。

③濾材のメンテナンス(掃除・交換)が簡単なこと

フィルターは水中の汚れを積極的に集めて濾材に吸着させてくれますが、その分濾材の汚れ方はすさまじいものがあります。

一見綺麗に澄んだ水に見えても、濾材に汚れが溜まっていると当然水質に良い影響はありません。

一番の問題は細かい汚れが溜まりすぎて濾材が目詰まりすることです。この状態になるとさらなる汚物を吸着するどころではなくなり、あまりにひどいと水自体を循環することすらできなくなります。

そのためフィルターは、濾材を洗って掃除したり新しいものに交換したり、こまめなメンテナンスを行いその機能を保つ必要があります。

メンテナンスの際の手間のかかり方は、フィルターの種類によってだいぶ異なります。構造がシンプルで濾材の掃除・交換が楽なフィルターが好ましいです。

④電気代が安いこと

フィルターは一日中、一年中作動しているので電気代がかかります。

小型水槽では小型のフィルターが前提なので、大型フィルターと比較すると格段に電気代は安くすみますが、小型水槽を複数並べて飼育するような場合は水槽の数だけ電気代も増えますので注意が必要です。

かかる電気代を把握して、自分のアクアリウム環境に合わせたフィルター選びを行うことが大切です。

小型水槽におすすめのフィルターの種類

それでは具体的に小型水槽におすすめのフィルターをご紹介します。

フィルターの種類別に相性をみていきましょう。

■上部フィルター

おすすめ度 ★☆☆☆☆

60センチ汎用水槽にセットで売られているような水槽の上部に載せるタイプのフィルターです。小型水槽サイズの市販品は少なく、あまり見かけることはありません。

小型水槽飼育では、水質管理上こまめにスポイトで水槽の底を掃除したり、餌の残りを取り除いたり、水槽の上部からメンテナンスをする頻度が高いです。水槽の上に載せる上部フィルターはメンテナンスの際に邪魔になるのであまりおすすめしません。

■底面フィルター

おすすめ度 ★☆☆☆☆

水槽の底面に敷き、上から濾材となる砂利を被せるタイプのフィルターです。水槽に合わせてサイズ調整できる仕様のものもあります。

餌の残りや糞が砂利に滞留しやすく頻度の高い掃除が必要になるためあまりおすすめしません。また、ベアタンク飼育の場合はそもそも砂利を使わないので向いていません。

■外部フィルター

おすすめ度 ★★☆☆☆

外部フィルターはその名の通り水槽と離れた外部の場所に置くタイプで、大容量の濾材を使用できるため濾過能力の高いフィルターとして知られています。

その容量から中大型水槽に使われることが多く、小型水槽サイズも出回っていますがちょっとオーバースペックです。お値段もそこそこしますしね^_^

そこで、1つの小型水槽に対してではなく、分岐を使って複数の小型水槽に対して水を循環させる形であれば効率的です。いわゆるオーバーフロー式というやつですね。

問題はコスト面で、外部フィルターと濾材の価格に加え、電気代が結構かかります。オーバーフローの方式にもよりますが、ラックに小型水槽を10個程度並べて構築した場合、電気代が月額2,000〜3,000円程度かかってしまいます。

↓ ここから先が、私が現在採用しているおすすめのフィルターになります。

■外掛け式フィルター

おすすめ度 ★★★☆☆

水槽にかけるだけでスタートできる簡単セットの外掛式フィルター

外掛け式フィルターは、水槽の縁に引っかけるタイプで、水槽内や上部スペースを邪魔しないため、小型水槽にはうってつけです。

サイズも小型水槽用のものが市販されており、電気代は月額50円程度で、仮に水槽10個にそれぞれ設置しても500円とコストパフォーマンスが良いです。

ひとつ問題点は、循環した水が水面に吐きだされる際の水量が大きめになりがち、という点です。水量調整用のプラグがついているものもありますが、吐き出し口が広いためどうしても水面が波立ちます。魚が体力を消耗せず落ち着いた環境でいられるよう、水量が気になる場合は吐き出し口の水量が弱まるよう工夫が必要です。

■投げ込み式フィルター

おすすめ度 ★★★★☆

小型水槽用の投げ込み式フィルター

投げ込み式フィルターは、その名の通り水槽内にドボンと投げ込んで使えるタイプで、水槽内で簡単に場所移動できるため、水槽の掃除やレイアウト変更の際に便利で気軽に使えます。

水槽内に沈めるため底面のスペースを占有しますが、小型で直径 5〜7センチ程度なのでさほど気にはなりません。

何より良いのは、チューブで空気を送り込むエアレーション方式のため、直接的な電気代がかからないことです。もちろんエアポンプが必要になるので実際にはゼロではありませんが、複数の水槽管理で別にエアレーションをしている場合は、その分岐を増やして投げ込み式フィルターにつなげば新たなコストはかかりません。

※新たにエアレーションを設置した場合でも、必要な出力量からエアポンプ電気代を試算すると概算で月額50円程度です。

使用時に気をつける点としては、水槽底面に直置きする性質上、ゴミや餌の残りがフィルター底面部分に吸い込まれて溜まりやすいことです。こまめに掃除するようにしましょう。

■スポンジフィルター

おすすめ度 ★★★★★

ケミカルスポンジにより効率的なろ過を行えるフィルター

フィルターで一番おすすめなのがスポンジフィルターです。投げ込み式同様に水槽内に設置しますが、むき出しの小型スポンジを濾材とするため濾過能力は投げ込み式より優れています。

長さ 5〜6センチ程度と小型の細長タイプが主流で、吸盤で水壁面にくっつける仕様のため水槽底面から浮かせて使用でき、衛生的です。

また、投げ込み式同様にエアレーション方式のため電気代コストはほとんどかかりません。

■(番外編)サテライト

おすすめ度 ★★★★★

最後に正式なフィルターではありませんが、フィルター代わりに使える優れものをご紹介します。

稚魚・小型魚・隔離魚など多目的に使える外掛け式コンパクトボックス。W13×D6×H13cm

サテライトは産卵用・稚魚育成用にサブ水槽として使うことが本来の目的ではありますが、エアレーションで親水槽の水を循環させる機能があるため、中に魚を入れず濾材となるウールマットなどを入れることでフィルターとしても活躍します。

イメージとしては、外掛けフィルターのエアレーション版といった感じになりますが、吐き出し水量が小さいこと、エアレーション方式のため電気代が節約できることから、外掛けフィルターのデメリットを解消できます。

もちろん、水槽内のスペースを取らないという外掛けフィルターのメリットも実現できるため、私としてはお気に入りの使い方です。

もちろんフィルターとして使わない時は本来の用途にも使えるので一石二鳥です^_^

フィルターの掃除と交換について

最後にフィルターのメンテナンスのポイントについて触れておきます。

フィルターのパフォーマンスを最大に引き出すためには、こまめな掃除と定期的な濾材交換を行い濾材が常に汚れを吸着できるように保つことが必要です。

■掃除

フィルターは、水槽内の汚れた水を循環させて中にある濾材に吸着させて水を浄化する仕組みです。

フィルターの濾材を洗ってみると、真っ黒な水が流れ出てきていつもビックリします。水中の汚れは目に見えないものを含めて想像以上にあることが分かりますよね。

汚れによって濾材が目詰まりすると濾過能力が低下します。さらには水の循環さえも遮ってしまい水中に汚物を沈めているだけのただの物体と化してしまいます。これでは水を綺麗にするはずのフィルターが逆効果です。

そのために掃除が必要になりますが、毎日地味に稼働してくれているフィルターは掃除のタイミングを逃しがちなのが正直なところです。水の流れが弱まったな…と思った時には濾材が完全に目詰まりした状態なので遅いです。

一般的な水槽の水替えは1〜2週間に1回程度の頻度でされているかと思います。この水換え時には必ずフィルターも一緒に掃除しましょう。定期的な水替えをされていない方は曜日を決めて週に1回は掃除することに決めましょう。

掃除の仕方は簡単で、濾材を洗うだけです。

先ほどご紹介した、外付けフィルター、投げ込み式フィルターなどは中にある白い濾材を取り出して水洗いします。スポンジフィルターはスポンジ部分だけ外して同じく水洗いします。

注意点は、濾材に棲みついた濾過バクテリアを死滅させないように、塩素の入った新しい水道水ではなく、カルキ抜きしてある水槽の水で洗うことです。

■交換

活性炭などのように濾過能力が高く使用により効果が減少するタイプの濾材を使っている場合は、その使用目安となる期間を過ぎたら新しいものへの交換が必要です。

一般的な白い素材の濾材やウールマットなどは、上記のように洗えば基本的には何回でも使えます。

ただ、使っているうちにだんだん素材がヘタれてきて最終的にはぺったんこになってきます。こうなるとバクテリアの棲むスペースが減り濾過能力が弱まります。

また、汚れが沈着して色がだんだん茶色や黒に染まってしまうと、汚れ度合の視認性が落ちて使い勝手が悪くなります。

このようなトラブルを回避するためにも、新しい濾材への交換は定期的に行うと決めておきましょう。フィルターの種類や使用環境によって交換時期の目安は変わってきますが、あまりシビアに考える必要はありません。ちなみに私は月1回の交換を目安にしています。

以上、今回はフィルターについて掘り下げてみました。うまく活用して魚にとって快適な環境をつくってあげましょう^_^

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